校長あいさつ
待つことの意味
学校長 神田千秋
本校は教育理念の根幹に日本国憲法を置いています。それはなぜでしょうか。
命を救い、援助することを目的としている医療人は戦争を否定し、平和を求めるからです。また、お金のあるなしで医療に差別があってはならないという基本的人権の立場に立って、医療は行われなければならないと考えるからです。これはすべて憲法の基本原理である、平和主義、基本的人権の尊重に依拠しています。
日本国憲法第13条には「すべて国民は、個人として尊重される。…公共の福祉に反しない限り、…最大の尊重を必要とする。」と書かれています。ここで単に「人として」ではなく「個人として尊重される」ことの意味を深く問うことが大切です。
なぜ、今の社会は息苦しいのでしょうか?息苦しさの正体はなんでしょうか。そのひとつの理由として、結果をいつも求められるしんどさを多くの人が感じているのではないかと思うのです。それは、教育の世界でより一層顕著になっています。
たとえば、学力テストの結果を公表すべきという意見が根強くあります。教育の目標がテストの結果だけに集中し、序列化することが自己目的化されています。そこでは、助け合う、学び合うという協同的な関係は希薄となり、競争を勝ち抜くことが最優先されますから、競争的関係に向かない子どもは真っ先に脱落せざるを得ない、あるいは経済状況から塾に通えない子どもは不利な境遇に置かれるため進学に際して不利な状況となっている現状があります。
グローバル化した社会に対応できる人材を養成するのが教育の目的だ、みたいな言説がまかり通っていますが、本当でしょうか?教育の本質は競争ではなく、育ち合う関係性の中でこそその力を存分に発揮できると考えます。フィンランドの教育実践がそのことを実証しています。
教育の本質は、「育」の中にこそあるのです。私たちはそのように考えています。学生を育てながら、自らも育つ、成長する、そのような関係性をとても重視しています。引っ張ったからと言って育つわけではありません。育つための土台作りを地道に行いながら、育つ兆しに耳を澄まし、じっと「待つ」。もちろん、ただ手をこまねいて待っているのではありません。必要な援助を行いながら、学生一人ひとりが看護師に向かって少しずつ必要な力を身に付けていくのを「待って」いるのです。
「待つ」とは成長していくことを見守ることであり、学生を信頼し互いの未来へ希望を紡ぎ続ける行為でもあります。そこにこそ教育の本質的な意味があると思います。
私たちは、そういうことをめざす学校であり続けたいと願い、そこに私たちは誇りを持ちたいと思っています。
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そのため「人間的な発達」を大切にします。
「挑む・つながる・学ぶ」をキーワードに
看護師の育成をめざしています。
パンフレット内容は以下です。
1p 表紙
2.3p 学校長メッセージ
4p 数字でわかる「きんかん」の特徴
5~11p Egg Nurse の三年間
12p 豊かな学びのフィールド
13p KINKAN での学びが原点
14.15p 学費・奨学金制度